抵当権以外の担保物権

担保物件は、約定担保物権と法定担保物件があります。約定担保物件とは当事者の合意により成立し、代表的なものが、「抵当権」です。法定担保物件とは、法律上当然に成立し「留置権」「先取特権」があります。

 

抵当権以外の担保物権には質権=約定担保物権 留置権:先取特権=法定担保物件があります

質権とは、借金のカタ(担保)に指輪を預かり、借金が払えない場合は、指輪を流す(競売)にかけることができる権利です。

留置権とは、時計を修理した時計屋さんは、修理代金をもらうまでは時計を渡さないでいいという権利です。

先取特権には、債務者のすべての財産を目的とする一般先取特権と、特定の動産を目的とする動産先取特権、特定の不動産を目的とする不動産先取特権の3つがあり。さらに、不動産先取特権は3つあります。

  1. 不動産保存の先取特権・・・不動産の滅失・損傷を防止するために要した費用を担保するための権利
  2. 不動産工事の先取特権・・・不動産の工事費用の債権を担保する権利
  3. 不動産売買の先取特権・・・不動産を売却した売主が、その代金を受領する前に売買の目的となった不動産を買主に移転したときは、その代金および利息に関して、その不動産の売主に存在する権利

※登記された不動産保存の先取特権および不動産工事の先取特権は、それより前に登記された抵当権にも優先します。というのは、保存の費用は抵当不動産の価値を維持したのであり、工事費用は抵当不動産の価値の増加につてだけ優先権があるにすぎないので、社会的価値の観点からも先取特権を認めてる方がいいからです。

 

担保物権の4つの性質

  • 付従性・・・被担保債権が消滅すれば担保物権も消滅します。
  • 随伴性・・・被担保債権が譲渡されれば、原則として担保物権も譲受人に移転します
  • 不可分性・・担保物権を持つ者は、被担保債権すべての弁済を受けるまで、目的物のすべてについてその権利を行使することができます。
  • 物上代位性・担保物権は目的物が滅失しても、それによって債務者が受けるべき金銭その他の物に対しても行使することができます。

暑中見舞い申し上げます。

まだまだ暑い日が続きますが、お体ご自愛下さい

小﨑:画